battery 名詞 <battuere>4
=========* 註 *=========
battery が 「投手と捕手」 の意味になったことについて、内田隆三 『ベースボールの夢』 は、野球がその揺籃を出て 「国民的スポーツ」 へ進化する過程で、
常に 「男らしさ」 を求められ続けたことが背景にある、と述べている。
野球のルールは、 「男らしく」 プレーするゲームにふさわしいように改正が繰り返された。 「ボール」 の判定は、本来は審判が投手に対して出す
警告 (“Ball to the bat!”) で、 「打者のバットに当たるような球を (男らしく投げろ) 」 という意味であった。 「ストライク」 の判定も
本来は、 「フェアな球なのだから (男らしく) 打て」 という打者に対する警告だったという。
スリー・アウト制の導入をはじめとしてルールの整備が進み、頭脳と肉体の限りを尽くして男らしく戦うスポーツであることが強調されるようになると、
選手にもより高度な技術や鍛錬が要求されるようになった。野球のプレーは、軍隊の組織的戦闘になぞらえられるようになり、この流れの中
で、 「投手と捕手」 が、 「砲台・砲兵中隊」 の意の battery という語で呼ばれるようになったのだという。