genuine 形容詞 <*genu- 表2>3
=========* 註 *=========
ラテン語 genuinus の原義は「膝の」「膝に置かれた」であるが、これは「父の膝に置かれ、子として認知された」ということでもあった。
父の膝の上に置かれ認められてこそ正真正銘の子供であるということから、genuinus は「本物の」の意味になり、これが英語 genuine に引き継がれた。
子供を膝に置いて正式に認知する習慣は、ギリシャ語、古ノルド語、ヒッタイト語、サンスクリットなど様々な印欧語の文献の中にもあり、
この風習が古代から 印欧語族 の間に広く見られたことがわかる。
この習慣は、養子の場合にも行われた。ゲルマン人の例を、風間喜代三『ことばの身体誌』から紹介する。「美髪王」として知られるノルウェーのハロル
ド一世(860-933)が、イギリスのエテルスタン王(アルフレッド王の孫)に対して、自分の息子を養子にするよう要求した時の話である。