=====用語解説=========

アングロ・サクソン族 the Anglo-Saxons

民族大移動期の五世紀半ば頃に、ローマ軍撤退後のブリテン島に移住したゲルマン人を総称してアングロ・サクソン族という。

アングロ・サクソン族は、ユトランド半島からライン河口地帯にいたる北海沿岸の各地から、軍事的指導者に率いられて波状的に侵入した。彼らの主なものは アングル人、ジュート人、サクソン人であるが、ブリテン侵攻の頃には相互の混交が進み、言語や習慣においてかなりの親近性があったといわれる。

アングロ・サクソン族は先住のブリトン人を奴隷化したり殺戮したりしたため、逃げのびたブリトン人は周縁地域へ追いやられ、その結果、ウェールズ、 スコットランドを除くブリテン島の主人公は、アングロ・サクソン人になった。

アングロ・サクソン人は自分たちのことを Angel-cynn (アングル族) と呼び、自分たちの新しい国を Engla land (アングル人の国) と 呼ぶようになった。また、自分たちの言語も Englisc と呼んだが、これが今日の英語の祖先語、すなわち古英語である。